それとも俺にすら気付かせず、護衛が居たりするのか。company registration service hong kong
「……ハスキメル、って、長いよな」
最後の考えは、考えた直後に否定する。
地理の把握に人間観察と、俺は結構な濃度で気配を探ってる。
それでカケラも気付かないなんて、有り得ない。
「そうか?なんなら呼び易いように縮めてくれて構わない」
「いいんだ?んじゃ、ハルとか」
「……最初と最後か?」
「そう」
普通はハスク、辺りが無難なんだろうか。
短いなら何でもいいのでより短い方にしてみたが、本音を言えば何でも良かった。
「ハル、か。初めて呼ばれたな。うん、それでいい」
かなり適当な決め方だったが、何気に気に入ったらしい。
満足そうに頷くハルに、ちょっと笑った。
うーん、なかなか。
支配階級にしては、慢りもなく面白い。
どうやら、隣の席の奴とは良好な関係が築けそうだった。
こうなると出来れば前の2席の奴らともそれなりの関係が作れると有り難いんだが、果たしてどんな奴が来るか。
まあ、あまりお近付きになりたくない奴が来たとしても、まったく気にしない自信はあるのだが。
ハルと他愛もないことを話しながら、そんなことを思う。
すると席が半分程度埋まった辺りで、ハルの前、俺の斜め前の席に1人の女子生徒がやってきた。
何も言わず、すとんと席に座る。
俺たちは何となく話を止めて、軽く彼女を見やった。
真っ先に目に入ったのは、特待生を示すベレー帽。
金ではなく黄色の髪が、真っ直ぐストレートに伸びている。
入学式の人間観察で、気になった人間の1人だった。
唯一観察前に「面白い」と断定した奴とは違い、それなりに優秀だとは思うが、そういう意味では気になる程ではなかった。
それなのに気になったのは、こいつの気配が、この世界では初めて感じる気配だったからだ。
周りの「人間」と、何か違う。
だがもちろん、「魔物」の気配でもない。
「魔族」とは会ってないが、これは魔物に近いと聞いた。なら、これもない。
これは話し掛けてみるしかないか、と口を開き掛けた時、先に隣が声を発した。
「もしかして、ツァイ・ユーノトール?」
しかも、彼女の名前を知ってるらしい。
皇族に名前を覚えられてるってことは有名なのか、それとも知り合いなのか。"