cherrychan927

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その言葉に半身を起こした景虎は、横にいる隼人を睨み、「なんじゃ、何が言いたい。」語気が荒くなる。隼人は、そんな景虎など視界に入らないかのように、横になったまま口を開くと、diploma 課程「ヌシは、越後の民が良けりゃ、それで良いのか。この佐渡の民を見たか?一生懸命、真っ当に生きてきた奴らの痩せ細って諦めた眼を見たのか?」景虎に問いかけ始めた。「むぅぅ。」と唸る景虎は、再び横になると、「隼人、ほりゃぁ、ワシだって少しでも皆を笑顔にしてやりたい。じゃが、物には限度があるんじゃ。それに人も千差万別じゃ。悪どい奴の方が多いくらいじゃ。」と言った。国主としての日々が身にしみているのであろう。その言葉には、諦めと葛藤(かっとう)の混じったような真意が篭(こも)っていた。景虎の言葉を聞いた隼人は、半身を起こし、景虎を見据える。「おぃ。それをどうにかするために、ヌシの出した答えが、戦に負けずに勝ち続ける事か?」「あぁ。戦に勝ち続ければ、力が増す。人も増える。力が無ければ、民を守れぬし、人も付いてこぬ。」「ほぉぅ。」大仰(おおぎょう)に頷く隼人は、そう言って再び横になると黙って景虎に背中を向けた。
< 2018年10>
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