2018年08月27日 外からは、昼下がりの日光と涼やかな秋の風が吹き込ん 外からは、昼下がりの日光と涼やかな秋の風が吹き込んでいる。身体には、そこら中に包帯が巻かれていた。(そうか。俺、生還したんだな。)隆行が、そんな事を考えていると、部屋の襖が静顯赫植髮 discussに開けられた。桶や草を持った島新吉が部屋に入り、襖を閉めた。あんなに小さかった新吉も今や12歳。立派に成ってきた身体と、その剛毅を秘めたような沈毅さが表情に表れ始めていた。(鍛錬を怠ってないみたいだな。)横目で隆行が見ていると、新吉は、草をゴリゴリと磨り潰し始めた。そして、その草粉を手に持った包帯に置き、隆行の方を向いた。「おはよう。」隆行がニコリと新吉に挨拶をすると、驚いた新吉が包帯を落とした。「…と、殿!!」この新吉の声が聞こえたのか、廊下からドタドタと多数の足音が聞こえてきた。そして、襖が勢い良く開けられた。 コメント(0)