cherrychan927

cherrychan927

(…この男、恐らく余程の辛い経験を越えて来たのであ

(…この男、恐らく余程の辛い経験を越えて来たのであろう。それで記憶を落とし、自己暗示にでもかかったのじゃな。)一条家を支えるキレ者、宗珊としては珍しい誤認である。しかし、真っ直ぐと語澳洲遊學團隆行からは真実としか感じられないのに、頭から信じられない事を言われたのである。この誤認はしょうがないであろう。(しかし、膂力はあるようじゃ。主君に推挙するか。)と、多少の憐憫を含んだ視線を隆行に向けた宗珊は、迫力を引っ込めて、元のニコニコした笑顔に戻った。「ふむ。そうか。しかし、関白様の推薦状を出されてしまっては、ワシの家臣には出来ぬ。」「へっ?」「家格の問題じゃ。」たしかに、宗珊の言うとおりであろう。関白の推薦人を遠慮なく迎えられる程、土居家の家格は高くは無い。また、そのような人物を、主君を押しのけて召抱えるというのも、まさしく僭越である。隆行の表情にあからさまに動揺が浮かぶ。その表情に、隆行の実直さを感じた宗珊は、「しかし、わが主君ならば可能であろう。どうじゃ?」と温かく声をかけた。

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリ
最近のコメント
QRコード
QRCODE

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
cherrychan927