いくら心配されようと、引き留め
いくら心配されようと、引き留められようと、それでもサキカは総帝であり、戦わないという選択肢はもとより存在しないのだ。 重い沈黙はその後も続き、サキカがギルドの自室に帰るまHKUE DSE、結局、父親は帰ってこなかった。××××××××××××××××××× ──隊員たちの動きは、ますます機敏になっていっていた。 訓練場で隊員たちの様子を見回して、サキカは目を伏せた。戦争が刻一刻と近づいてきているのを感じ、何ともやるせない気持ちに襲われていた。 自らの右手を、無意識に見つめる。 この手は、何のためにあるのだろうか。──生き物の命を、奪い去るためであろうか。 既に数えきれないほどの命を奪い、幾度も血にまみれたこの手で、あと何度生き物を殺めなければならないのか。「────隊長?」 どこか心配げな響きの声をかけられて、我に返る。彼が近くにいたのだと思い出し、顔をあげて彼へと視線を向けて、小さく笑んだ。「何でもありませんよ」 彼らの前でフードを被る必要がなくなっているために、総帝のマントは着ているもののフードは被っていない。サキカの表情は丸見えだ。 サキカの表情を無表情のままじっと見た彼──副隊長のローザンは、わずかに首をひねった。.