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 「さ、サキカ君っ!?」

 「さ、サキカ君っ!?」顔を赤らめ、あたふたと走っていたせいか乱れている服をただして、ユリアスは上目遣いにサキカを見た。「え、えっと……、何でここにいるんです增髮……?」「ユリが遅れてるみたいだったから。……来たらまずかった?」「い、いえっ」ブンブンと首を引きちぎれるのではないかと心配になるほど強く横に振り、ユリアスは否定する。なぜここまで彼女が焦っているのかわからない。サキカは現れるタイミングを間違えたのだろうか。しかし、今さら出直すこともできない。「……少しペース速めるか、それとも逆にペースを落とすか。どっちがいい? 今のペースで進むと、中途半端すぎて誰にも出会わずに終わるかもしれないから」少々強引に話を変えると、ユリアスは肩を落とした。「だから誰とも出会わなかったんですね……。納得しました」もう少し速く進むことができれば、一年のSクラス──すなわちクラスメートと出会うことができたであろう。もしくは、少しペースを落とせば、Sクラス以外の一年生と遭遇していたはずだ。誰とも会わないとなると、点数を稼ぐことが難しくなる。魔物を倒しても点稼ぎはできるが、一人もしくは二、三人という少人数で行動しているのだから、魔物を追いかけまわした挙げ句に群れに囲まれたり、中級魔物の住処に足を踏み入れてしまったりしたら危険である。学生なら尚更だ。「ちょっとペース落とします。これ以上速くは進めないので」ユリアスの意見には賛成だ。速く進みたいと言われてしまったら、あの最終課題の時のように、彼女を抱き抱えて走ることになっていただろうからである。.

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